「腰が痛いから、腰が悪いんですよね?」
「肩が痛いから、肩をほぐせばいいですよね?」
このように思う方は、多いのではないでしょうか。
もちろん、痛い場所に問題がある場合も多くあります(これを『器質的疾患』と呼びます)。
しかし、長期間抱えるような体の痛みは、必ずしも痛い場所だけが原因とは限らないのです。
実は、離れた場所の関節の動きや、体のバランスが変わったことで、結果として、特定の場所に痛みが出ていることもあります。
今回は、なぜ、「痛い場所=原因」とは限らないのかを、できるだけわかりやすいようにお伝えします。
筋膜連鎖によって、離れた場所にも影響する
まず知っておきたいのが『筋膜』です。
筋膜とは、筋肉などを包んでいる薄い膜のような組織です。
この筋膜は、体の中でバラバラに存在しているわけではありません。
いくつもの筋肉や組織がつながりながら、全身を包み込むように広がっています。
そのため、ある場所の動きが変わると、離れた場所にも影響することがあります。
例えば、
足の動きが変わる
↓
膝や股関節の動きが変わる
↓
骨盤の動きが変わる
↓
腰に負担がかかる(痛い)
というようなことが考えられます。
これが『筋膜連鎖』と呼ばれる考え方の1つです。
つまり、「腰が痛い=腰だけを見ればいい」とは限らないのです。
骨格のバランスが変わると、負担が偏る
人間の体は、立ったり歩いたりするときに、全身を使ってバランスを取っています。
例えば、頭が少し前に出ているとします。
すると、そのままでは前に倒れてしまうので、体は別の場所をズラしてバランスを取ろうとします。
首や背中、骨盤、脚などが少しずつ調整することで、なんとか立っていられるのです。
しかし、その状態が長く続くと、「一部の筋肉ばかりが頑張る」という状態になることがあります。
その結果、肩や腰などに負担が集中し、痛みにつながることがあります。
つまり、痛みが出ている場所は、「一番頑張っている場所」であって、「最初に問題が起きた場所」とは限らないのです。
神経が、体の情報を伝えている
痛みを考えるうえで『神経』も重要です。
私たちの体には、皮膚や筋肉、関節などの状態を感じ取る神経があります。
「伸ばされている」
「圧迫されている」
「熱い」
「冷たい」
「痛い」
といった情報のすべてを、神経が脳へ伝えています。
そして、脳は、体から送られてきたさまざまな情報をもとに、
「今の状態は危険なのか?」
「どのくらい注意したほうがいいのか?」
などを、常に判断ています。
そのため、痛みは単純に「そこが壊れているから痛い」というだけではありません。
同じような体の状態でも、痛みの感じ方が違う…ということがあります。
睡眠不足や疲労、ストレス、天気などによって、痛みを強く感じることもあります。
痛みは、体から送られてくる情報を、脳が処理した結果として起こる、複雑な反応なのです。
血流も体の状態に関係している
筋肉は、動いたり、力を出したりするためにエネルギーを使います。
そのためには、血液によって、酸素や栄養などが運ばれる必要があります。
反対に、体の中で作られた二酸化炭素や老廃物などを運び出すことも、血液の大切な役割です。
長い時間を同じ姿勢でいたり、体を動かす機会が少なくなったりすると、筋肉の働きや血流にも変化が起こります。
その結果、
「体が重い」
「筋肉がこわばる」
「動かしにくい」
といった感覚につながることがあります。
ただし、「血流が悪いから痛い」と単純に決めつけることもできません。
痛みには、筋肉、関節、神経、血管、心理的な要因など、さまざまなものが関係しているからです。
痛い場所だけを見るのではなく、「体全体」を見る
ここまでの話で、「痛い場所=原因とは限らない」と、お分かりいただけるのではないでしょうか?
例えば、腰が痛かったとしても、
- 足首やヒザの動き
- 股関節の動き
- 骨盤の位置や動き
- 背中の動き
- 姿勢や動作のクセ
- 筋膜によるつながり
- 神経からの情報
- 筋肉の状態や血流
- 睡眠や疲労などの全身状態
など、さまざまな要素が関係している可能性があります。
だからこそ、体の不調を見るときには、「どこが痛いのか?」だけではなく、「なぜ、そこに痛みが出現しているのか?」を考えることが大切なのです。
痛い場所は「犯人」ではなく「SOSを出している場所」かもしれない
少しイメージを変えてお伝えします。
例えば、家の中で警報器が鳴ったとします。
警報器が鳴っている場所は分かります。
でも、「警報器が鳴っている=警報器が壊れているではない」ですよね?
この場合、別の場所で問題が起きていて、それを警報器が知らせている可能性が高い。
長い期間患ってる体の痛みも、これと少し似ているのです。
痛い場所は、体が、
「ここに負担がかかっていますよー!」
と、教えてくれている場所なのかもしれません。
もちろん、痛みの原因が痛い場所そのものにあることも多くあります。
だからこそ、慢性的な問題は、最初から「腰が痛いから腰が悪い」、「肩コリだから肩をもむ」と決めつけるのではなく、体全体の動きやバランスを確認することが大切なのです。
おわりに
上記の視点から、当院では、痛みのある場所だけを見るのではなく、姿勢・動き・体のバランスなどを確認しながら、全身の状態を見ていきます。
「なぜ、この場所に負担がかかっているのか?」
という視点を持つことで、専門の医療機関や、今までの治療院とは違った体の見方ができることがあります。
体は、1つ1つの部品が、独立して動いているわけではありません。
筋膜、筋肉、関節、神経、血流などが関係しながら、『1つの体』として動いています。
だからこそ、「痛いところだけを見る」のではなく、「体全体を見る」。
それが、体の状態を理解するための大切な一歩なのだと考えております。
店舗情報
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代表
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住所
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