「裸足で歩くと、なんだか歩きやすい。」
「靴を履くと、足の動きが変わる気がする。」
そんな経験はありませんか?
実は、これは、気のせいとは限りません。
私たちの歩き方は、単純に、「筋肉の力」だけで決まっているわけではありません。
足の裏から入ってくる感覚や、靴による足の動きの制限など、さまざまな情報を脳が受け取りながら、その場に合った歩き方を作っています。
今回は、「なぜ、裸足と靴では歩き方が変わるのか?」について、解剖生理学や私の臨床経験から解説いたします。
足の裏は「センサー」のような場所
まず、知っておきたいのが、足の裏には、たくさんの「感覚受容器」があるということです。
私たちは、歩くとき、足の裏から、
・地面が硬いのか、柔らかいのか?
・どちらの足に、より体重がかかっているのか?
・足(足首)が、どのくらい傾いているのか?
・体が、前後左右のどちらに動いているのか?
といった情報を受け取っています。
そして、その情報は神経を通り、脳へと送られます。
脳は、その情報をもとに、
「今、体は、このくらい傾いている!」
「次は、この方向へ足を出そう!」
「このままだと、バランスを崩しそうだから、少し力を調整しよう!」
というように、体の動きを調整しています。
つまり、足の裏は、『体を支える土台』であると同時に、『体の状態を知らせるセンサー』でもあるのです。
裸足になると、足裏からの情報が増える
裸足で歩くと、無論、足の裏が直接的に地面へと触れます。
そのため、靴を履いているときと比べ、地面の硬さや凹凸、傾きなどを感じ取りやすくなります。
たとえば、あなたが、硬い床の上を裸足で歩いているときに、小さな砂粒を踏んだとします。あなたは、
「痛い!」
と、すぐに気づきますよね。
ところが、厚い靴底の靴を履いていれば、同じ砂粒を踏んでも気づきにくくなります。
これは、単純に、「裸足のほうが優れている」という話ではありません。
ここで、あなたに覚えておいてほしい大事なことは、『足に付ける物によって、足から脳へ送られる情報の量や質が変わってしまう』ということです。
靴を履くと、足の動きも変わる
では、靴を履くと何が変わるのでしょうか?
大きなポイントの1つが、「足そのものの動きが変化する」ことです。
靴には、足を保護したり、滑りにくくしたり、衝撃を和らげたりする役割があります。
一方で、靴の形や硬さ、靴底の厚さ、ヒールの高さなどによって、足首や足の指の動きが、裸足とは全く異なることがあります。
特に、つま先部分が狭い靴では、足指を十分に広げたり、動かしたりしにくくなることがあります。
また、靴底が厚くなるほど、地面の感覚が直接伝わりにくくなる場合もあります。
その結果、『裸足のときとは違う体の使い方』が自然に生まれることがあります。
歩くとき、足だけが動いているわけではない
ここが、今回のコラムで、特に重要なところです。
歩行では、足 → 足首 → 膝 → 股関節 → 骨盤 → 背骨 → 首肩腕というように、体のさまざまな部分が連動しています。
足の接地の仕方が変われば、そこから上の関節の動きに影響する可能性が大きいです。
たとえば、靴によって、足首の動きが少し変われば、その動きを補うために、膝や股関節の動きが変化することがあります。
さらに、骨盤や体幹の動きまで変化することもあります。
もちろん、これは、「足の動きが変われば、必ず腰痛になる」という単純な話ではありません。
体には、非常に優れた調整能力があります。
多少の変化であれば、筋肉や関節、神経系が、上手に対応してくれます。
だからこそ、「足の使い方が変わった=悪い」ではないということも、しっかり覚えておきたいところです。
「裸足が正解」とは限らない
ここで1つ、逆の視点も大切です。
近年では、「裸足で歩くことは身体に良い」という情報を、YouTubeやSNSで見かけることがあります。
私も、昔は、「とにかく裸足が良いんだ!」と、いろんな方へお伝えしてきました。
確かに、裸足になることで、足裏からの感覚入力が増えたり、足指を自由に動かしやすくなったりするメリットは考えられます。
しかし、だからといって、いつでも裸足で歩くほうが良いとは限りません。
道路には、石やガラスなどの危険物があります。
また、足に痛みがある人や、バランス能力が低下している人、高齢者などでは、裸足で歩くことがかえって危険になる場合もあります。
靴には、「足を守る」という、非常に重要な役割があります。
大切なのは、裸足か靴かという二択ではなく、「その環境や目的に合った足の使い方ができているか」という視点だと、今は考えています。
体は「変化」に合わせて歩き方を変えている
実は、私たちの歩き方は常に一定ではありません。
砂浜を歩くとき。
芝生を歩くとき。
階段を上るとき。
坂道を下るとき。
硬いコンクリートの上を歩くとき・・・。
それぞれで、足や膝、股関節、体幹の使い方は変化します。
これは、体が、今の環境に合わせて動き方を調整しているからです。
裸足と靴の違いも、その1つと考えることができます。
足裏から入ってくる情報が変わる。
足の動きが変わる。
すると、それに合わせて、体全体の動きも変化する。
つまり、歩行とは、『決まった動きを繰り返すだけの運動』ではなく、周囲の環境を感じ取りながら、その都度に調整されている運動なのです。
整体で「足」を見る理由
整体というと、肩こりなら肩、腰痛なら腰というように、『症状がある場所だけ』を見るイメージがあるかもしれません。
しかし、体は一つにつながっています。
歩き方を確認するときには、
・足裏の接地
・足指の動き
・足首の動き
・膝の向き
・股関節の動き
・骨盤の動き
・体幹の動き
などを、全体として見ることが大切です。
たとえば、同じ膝が痛いという症状でも、歩き方や体の使い方は、人によって異なります。
だからこそ、『どこが痛いか』だけではなく、『体がどのように動いているか』を見ることが重要になります。
さいごに
裸足と靴で歩き方が変わるのは、決して、不思議なことではありません。
足の裏から入ってくる感覚情報が変わり、足の動きも変わるため、それに合わせて、体全体の動きも変化することがあります。
ただし、「裸足=良い、靴=悪い」という単純な話ではありません。
靴には、足を守るという大切な役割があります。重要なのは、裸足か靴かを決めつけることではなく、「足が地面からどんな情報を受け取り、それに対し、体がどう反応しているのか」という視点です。
普段、何気なく歩いている1歩の中に、実は、大量の情報が、瞬時に脳と体のあいだを行きかい、非常に細かな調整が行われています。
もし最近、
「歩き方が、前より変わったと家族に言われた。」
「足が、うまく地面につかない。」
「長い時間歩いたときの膝の痛みが、なかなかよくならない。」
と感じることがあれば、一度、ご自身の歩き方を観察してみてください。体の変化は、意外なところから始まっているかもしれませんよ?
次回予告
「なぜ、朝だけ腰が痛い?」
について、次回のブログで詳しく解説いたします。お楽しみに!
店舗情報
-
店舗名
- おかの整体院
-
代表
- 岡野 令
-
住所
- 〒300-2635
茨城県つくば市東光台4-19-4
駐車場完備
地図を見る -
営業時間
- 平日 10:00~20:00
土曜 9:00~15:00
詳細はこちら -
休診日
- 水曜・日曜・祝日
-
アクセス
- TX線研究学園駅より車で5分/万博記念公園駅より車で10分
-
TEL
-
080-6570-4997
確実なご連絡には、LINEにてメッセージをお願いいたします。
営業時間
おかの整体院は 「 当日予約OK 完全予約制 」 です。
| 時間 | 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | 祝 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 10:00〜20:00 | 〇 | 〇 | - | 〇 | 〇 | △ | - | - |
当日のご予約は、平日18:00、土曜12:00までにご連絡ください。